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津久井湖畔の土産物屋さんで、ひっそりと売られている津久井紐と出会いました。

何色もの糸が交差して作られたその細い紐は、色糸のチョイスや量、配置によって様々な表情を見せてくれます。一目でこの紐の可愛らしさに魅せられ、何種類も買って帰りました。

自己流で紐を組んでいましたが、「この紐で、もっと良いもの、もっと大きなものを作りたい。もっと本格的に作ってみたい!」との思いが強くなりました。2016年秋、80代のご夫婦2人で営んでいる製紐工場へ出掛けました。

そこで、津久井紐について沢山の事を教わりました。
津久井紐は、製紐機械を使って作る、俗に言う「江戸打ち紐」です。
何色もの糸をどのように機械にセッティングするかで紐のデザインが変わります。そのデザインを担当するのはお母さん。お父さんは「オレは女房の言う通りに機械を動かすだけ」と笑います。

明治期に欧米から紐を組む機械が日本に入ってきたそうです。
その技術を学ぼうと上京した相模原・津久井地域の職人が、機械とともに技術を持ち帰って広まった、と言われています。

大正期には何十軒もあった工場も、今では数えるほど。技術者の高齢化もあり深刻な後継者問題も…
でも、津久井紐の品質は高く、広く海外にも輸出されています。

沢山の方々に、この可愛らしい津久井紐を知って欲しい、そして、ずっと津久井地域で作り続けて欲しいとの願いを込めて、私はこの組紐アクセサリーを作っています。